2024/6/3朝日新聞より

北朝鮮で自由往来の実現を
人権団体大阪市で発足シンポ

北朝鮮で移動の自由がないがしろにされているなどとして、人権状況の改善や自由な往来の実現をめざす団体「Free2Move(F2M、自由往来の会)」が大阪市で立ち上がった。
このほど発足記念シンポジウムが開かれ、メンバーらが発足の経緯や今後の活動、北朝鮮での暮らしなどについて話した。
共同代表には、大阪市生まれの在日3世、洪敬義さんが就いた。洪さんは他のメンバーらとともに、かつて推進された帰国事業によって北朝鮮に渡った在日の人々について調査する取り組みを2018年から続けてきた。今年中に書籍が刊行される予定で、出版後も北朝鮮の人権について訴える社会活動を続けていきたいと考え、F2M発足に至ったという。
発足記念シンポは5月25日にあった。共同代表の1人で、神戸市で生まれ育って現在はソウルで暮らす朴香樹さんが参加。北朝鮮に帰国したおじが「現地で拷問による取り調べ中に亡くなった」などと明かした。
また「脱北YouTuber」として、自身の経験について発信している大阪府在住のキム・ヨセフさんがゲストとして語った。
10歳のときに母と、5人いたきょうだいのうちの3人が食べ物が不足した影響で亡くなったことや、路上生活を経験したこと、脱北は2度試みて韓国へ逃れたことなどを語り、「同じ空の下、同じ21世紀、離れていない国に人々がそうして生きているんです」と訴えた。
(川村さくら)